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ScrumもKanbanも問題を解決してはくれないよ

なんか挑発的なタイトルを付けてしまったが、これも前々回からの話の流れでのメモ。前々回で「要求開発の3つのT」の一つとして、透明性(Transparency)が重要という話をした。そして、前回のエントリでは、それはScrumを考える上でも(また、それ以外のいろんな方法論やプロセス、フレームワークを考える上でも)共通することであると述べた。
では、なぜ透明性(Transparency)がそれほどまでに重要なのであろうか? それを考えるにあたって、まずはTwitter上でのLasse Koskela氏のtweetを一つご紹介したい。

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(出典: http://twitter.com/lassekoskela/status/6511849026

ここに書かれているのは、

Neither Scrum or Kanban will *solve* your problems. They present you with problems that *you* will need to solve. (ScrumもKanbanもあなたの問題を「解決」してはくれない。それらは「あなたが」解決すべき問題をあなたに示してくれるのである。)

つまり、ScrumやKanbanのフレームワークやプロセス、あるいはもう少し広げて要求開発におけるモデル化手法の本質や価値は、それ自体が問題を解決してくれることではなく、解決すべき問題(例えば矛盾点や対立する利害なども含む)をあぶり出して目の前に提示してくれることにあるということである。そしてこれらのフレームワークやプロセス、方法論が、解決すべき問題をあぶり出すために必要なのが「透明性」なのである。Scrumが、厳密にスプリント・プラニングやデイリー・スクラムなどを定義しているのも、それによってプロセスの透明性を確保し、解決すべき問題を明らかにして手を打てるようにするためだと言っても過言ではない(かもしれない、たぶん。)

だからこそ、我々は、問題を解決するのは他でもない我々自身やチームであるということを忘れてはならないのである。