Always All Ways Archive

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仕事のやり方を考える時に心がけたいこと

世の中便利になったもので、今や、ちょっと検索すればアジャイル開発の事例やその他いろんな仕事のやり方に関する情報を見つけることができます。また、イベントや勉強会なども相変わらず活発に開催されており、他の人の仕事のやり方や考え方に触れる機会も多いと思います。今朝も、ITproで「第1回 3割減の工期で「いつもの疲弊が無い」 - 実践!CCPMで工期3割短縮:ITpro」という記事が掲載されており、ついつい「やっぱり、CCPMだね!」などと思いたくなってしまいます。 ただ、そんな時代だからこそ、しっかりと心に留めておきたいことがあります。それは - 自分の関わる組織や業務のコンテキストをちゃんと認識すること - その上で自分の頭で考えること です。 そしてそれを私自身も肝に銘じて忘れないようにするために、開発手法や方法論の説明やプレゼンテーションを行う際にしばしば引用する言葉をここで紹介しておきたいと思います。以下に紹介する2つのフレーズは、どちらも「ジョーカー・ゲーム」(柳広司)の中で結城中佐が語った言葉だったと記憶しています。私自身は、一つ目をプレゼンテーションの冒頭で「今日のメッセージ」として紹介し、二つ目を最後に「今日のまとめ」として紹介するパターンが多いです。
「貴様が何を信じていようがかまわん。キリストだろうがマホメットだろうがイワシの頭だろうが、勝手に信じるがいい。もし本当に自分の頭で考え抜いたすえに、それを信じているのならな」
「何かにとらわれて生きることは容易だ。だが、それは自分の目で世界を見る責任を放棄することだ。自分自身であることを放棄することだ」

BABOKのAgile Extensionが生む(かもしれない)誤解

Modern Analystのサイトに"3 misconceptions I would like to see removed from the Agile Extension to the BABOK®"という記事が掲載されていました。 ざっと斜め読みしたところ、この記事の筆者は、Agile Extensionのもたらす価値については認めながらも、大きく3つの点において誤解を招くこと、およびその誤解が続くことを懸念しているようです。そしてそれぞれについて、BABOKのAgile Extensionの中の記述から例を示しています。 曰く、
1. 世の中にはアジャイルウォーターフォールしかない、つまりアジャイルを採用しなければ、全て計画駆動で要求フェーズが1回きりのモデルに従わなければならない、という誤解。 2. 要求をJust-in-Timeで定義することが他の全てのモデルよりすぐれているという誤解。 3. ドキュメンテーションは、直近のチームのニーズを満たす最小限のものを自動化しておけばよいという誤解。
確かに、そういう風に読もうと思えば読めなくもないですね。そして、その部分に対して読者が誤解をしないように警鐘を鳴らしてくれるのはありがたい話でもあります。(特に、BABOKのAgile Extensionが、主に従来型のトラディショナルなやり方を得意とし、アジャイル開発への理解が乏しい場合には、そういう誤解を生んでしまうおそれは十分にあると思います。) でもね、それこそこの前のエントリに書いたように「自分の頭で考えようよ」という話ですよ。できるだけ誤解を避けるような書き方をすることの重要性を否定するわけではないですが、同時に、コンテキストを理解して自分の頭で考えるということがアジャイルな開発にとって重要であるということにフォーカスを当てた方がいいのではないかというのが、元記事を読んだ私の率直な感想です。「BABOKにこう書いてあるからこうしなければいけない」と妄信・固執する人には、そもそもアジャイルは向いてないよ、とか言っちゃうと問題ありそうだからそこまでは言わないですけど。 元記事の筆者が、記事で主張している内容についてIIBAに直接伝えたかどうかわかりませんが、このあたりの内容については、現在のAgile Extensionのドラフト版が今後どのように変わっていくかは注目したいところです。 併せて読みたいBABOK/Agile Extension関連の過去エントリ: BABOK(アジャイル拡張)の歩き方 Business Analysis in Agile Life-Cycles