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アジャイルの成功確率はウォーターフォールの3倍?

Mike Cohn氏が今週月曜日(2月13日)のブログで、Standishグループのレポートからアジャイルウォーターフォールの成功確率に関する部分を引用・報告しています。 Mike Cohn's Blog - Succeeding with Agile "AGILE SUCCEEDS THREE TIMES OFTEN THAN WATERFALL" まず、そこで引用されているグラフをここにも転載させていただきます。 

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(Source URL: http://blog.mountaingoatsoftware.com/agile-succeeds-three-times-more-often-than-waterfall ) 確かにこのグラフを見ると、SUCCESSFULの割合がウォーターフォールで14%に対してアジャイルでは42%と3倍になっています。但し、この結果についてはそのまま鵜呑みにするわけにはいきません。いくつかの疑問や懸念点についてはブログ記事のコメント欄で読者とMike Cohn氏の間でも活発に議論されている通り、いわゆる「突っ込みどころ満載」状態です。 まず、統計の元データの詳細が明らかにされていないためわからないことが多く残されています。"SUCCESSFUL"の定義をどう捉えるかというのも大きなポイントですし、ウォーターフォールと称しているものが、元々のRoyce論文にあるようなものを指すのか、その後DoDでスタンダードとして採択された際に曲げられてしまった以降のものを指すのか、そもそもウォーターフォールとは名ばかりの「なんちゃってウォーターフォール」をも含んでいるのかというあたりにも疑問はあります。 それから、レポートの中で"Agile Process"という呼び方がされていますが、そもそもアジャイルってプロセスだっけ?というのもありますね。前述の"SUCCESSFUL"の定義についても記事の中では、"The Standish Group defines project success as on time, on budget, and with all planned features. "と書かれていますが、"all planned features"というくだりは、そもそもアジャイルな考え方と相反するものでは?という気がしないでもありません。 というわけで、このレポートについては話題としては面白いけど、これだけでどうこう言えるものではないし、方法論やプロセスの優劣というよりは、組織やプロジェクトのコンテキストに応じて最適なやり方を自分たちでちゃんと考えることの方が大事だということには変わりはないということだと思います。 ちなみに似たようなテーマの調査としては、Scott W. Ambler氏の 2011 IT Project Success Rates Survey Results というものもあります。 対比してみると面白い(かもしれない)ので、結果のグラフのみ、転載しておきます。 

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(Source URL: http://www.ambysoft.com/surveys/success2011.html ))