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エンタープライズ・アジリティについて考える (1)

最近また、エンタープライズアジャイルとかエンタープライズ・アジリティについて考えることが増えてきています。また、それらとよく混同されがちな言葉として、大規模アジャイルというのもあります。ユーザ企業側にせよ開発会社側にせよ、ITに携わるものとして、これらについてきちんと理解・整理することが必要だと考えています。そして、その中でそれぞれの立場で何ができるのか、何をしなければならないのかを考えることが、パートナーシップの確立に欠かせないのではないでしょうか。 1. 「エンタープライズ」とは何か? Allan Shallowayほかの"LEAN-AGILE SOFTWARE DEVELOPMENT: Achieving Enterprise Agility"の中では、Enterpriseという用語は、次のように定義されています。
Enterpriseとは、製品やサービスが作られたり、改良されたり、保守されたりするバリューストリームに関わる組織全体を意味する。
2. "Product Organization"と"IT Organization" また、同書の中では、Enterpriseにおけるソフトウェア開発に関連した文脈の中で、その開発組織を"Product Organization"と"IT Organization"に区別して述べています。 "Product Organization"とは、ソフトウェアをそのソフトウェアそのものから直接収益を得る会社のために開発する組織です。その場合、基本的に顧客は社外であり開発者はそのプロダクトラインに沿って管理されています。 一方、"IT Organization"とは、その主たる製品はソフトウェアではないけれども、その製品やサービスを顧客に届けたり管理したりするのにソフトウェアやアプリケーションに依存している企業のためにソフトウェアを開発する組織です。この場合は、基本的に顧客は社内顧客となり、開発者の管理はロールによって行われます。 我々が、ユーザ企業とかSIerとか呼んでいる企業群の中でのIT開発組織もこの2つの定義を両端とした連続の中のどこかに位置づけられると考えられます。 まずは、これらをきちんと意識して考えること。これがエンタープライズ・アジリティについて考える始めの一歩であると考えます。(つづく)