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たねや

私が出身は滋賀県、と言うと決まって返ってくる言葉が、「近江商人?」というものである。それほど近江商人という言葉とイメージは強烈なんだな、と思う半面、それは良いイメージなのか悪いイメージなのか、少し心配になる。

さて、「たねやのあんこ―二世経営者に捧げる一〇〇の小言」(山本 徳次 毎日新聞社)という本は、近江商人というか、滋賀県を代表する和菓子屋の経営者でもあり和菓子職人でもある山本徳次氏の語録である。内容は、言ってみれば極めて真っ当なあたりまえのことを語りかけるようなトーンで綴っているだけなのだが、実体験に裏付けられた重みと迫力が随所に感じられる。そういう点では、松下幸之助翁や宮大工の西岡常一棟梁の言葉に通じるものがあるかもしれない。

郷土の誇る「たねや」のお菓子が食べたくなってきた。