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世の中の微妙な真実

「やまだ眼」(佐藤雅彦山田一成 毎日新聞社)を読んだ。

ベースとなっているのは毎日新聞で連載されたコラムであるらしい。佐藤雅彦さんは知っていても、山田一成って誰?(失礼)という感じだが、お笑いコンビ「いつもここから」の片方といわれて、やっとわかった。(どっち側かは相変わらずわからぬままであるが、この際どちらでもよい。)

さて前置きが長くなったが、これはなかなかの本である。一見、芸人が書いた「あるあるネタ」の本のようだが、まず、山田さんが日常からすくいとる微妙な「違和感」の視点と感度は、レギュラー(あるある探検隊)のそれとは明らかに異なっていることに気付く。さらに、佐藤さんの解説がつくことによって、《その微妙な違和感が何に由来するのか》が掘り起こされ、解釈され、さらに深みと広がりを増して迫ってくる。ここらへんは、「日常の中で、ほんの少し考えてみよう」という佐藤さんの《プチ哲学》の真骨頂とも言えよう。

本当ならここで、ネタと解説の一部を紹介するとよいのかもしれないが、もったいないのでやめておく(w。

ただ、この

◎ちょっとした違和感を感知してすくいあげる感性と、

◎それをほんの少しずつ深く考え、解釈してみること

は、ビジネスマンとしてもエンジニアとしても、大切なことであると思うのである。結局、そういうものを積み重ねていけるかどうかが、力量の格差につながるような気がしてならない。

佐藤さんが「まえがき」で書いているように、《「やまだ眼」は、自分の奥に沈んでいる本当の自分を表にだすトレーニングツール》なのだ。ならば、佐藤さんが解説をつけていないネタ群に自分なりの解説をつけてみるのも、この本の一つの楽しみ方かもしれない。

◆今日のCD◆

WINDING ROAD絢香×コブクロ

※やっと発売、CMでお馴染みの名曲。