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Always All Ways Archive

Archive Imported from Always All Ways on Plala

「企業内人材育成入門」

今日は、会社の図書館に貸出依頼していた本が2冊同時に届いた。

◆「企業内人材育成入門」(中原 淳 (編集), 荒木 淳子, 北村 士朗, 長岡 健, 橋本 諭  ダイヤモンド社

◆「現場のUML―モデルベース開発のすべて」(浅井 麻衣、橋本 大輔、藤井 啓詞、 重田 正俊 ソーテック社

相変わらず、ジャンルがバラバラである。(自分の中ではそれなりにつながっているのだが…。)

「現場のUML」は、あとでゆっくり眺めるとして、まずは「企業内人材育成入門」をざっと斜め読み。

一言で言って、人材育成に関する基礎理論がてんこ盛りになった本である。その分、パラパラとリファレンスとして使うこともできそう。

個人的な問題意識ともマッチして興味深かったのは、

第1章 学習のメカニズム

第3章 動機付けの理論

第5章 学習環境のデザイン

第7章 キャリア開発の考え方

の各章である。

第1章では、「オトナの学習」とは何かについて、P-MARGEという用語が紹介されている。

P: Learners are Practical.

M: Learner needs Motivation.

A: Learners are Autonomous.

R: Learner needs Relevancy.

G: Learners are Goal-oriented.

E: Learner has life Experience.

これが「こどもの学習」と「オトナの学習」の違いであり、ここを理解していないと、そもそも学習のレディネスが獲得できないのである。

また、この章では「物語を通して学ぶ」として、ブルーナーの言うパラグマティックモード(論理-科学的様式)とナラティブモード(物語様式)の紹介がされている。これらはどちらが優れているということではなくあくまで相互補完的なものではあるが、個人的には、最近、「ザ・ファシリテーター」「ザ・ファシリテーター2」(これらもストーリーテリングというかナラティブモードと言えるだろう)に影響され、著者の森時彦氏の講演も聞かせていただいたこともあり、ナラティブモードの効果を実感しているところである。

第3章が、悩ましい「動機付け」についてである。

この章では、セリグマンの「学習性無力感」(コレが蔓延すると怖い)を紹介しつつ、「能力観」の重要性を述べている。あたりまえのことにも思えるが、「能力変化観」を持つ人は「能力固定観」を持つ人よりも内発的に動機付けされやすいということである。

ただ、ここまではどちらかというと研修や教育の場に来てからの動機付けの話であり、今の私の問題意識は、そこに連れてくるまでの動機付けというか、自己啓発の必要性の認識をどのように持たせるか?といったところにある。

その意味での一つの答えが、第5章である。

デザインの3つのレベルとしては、「ヒト(組織)のデザイン」「コト(活動)のデザイン」「モノ(道具)のデザイン」が挙げられている。その中でも私が重要だと思ったのは、「コト(活動)のデザイン」における「活動の(時間的)場」と、「モノ(道具)のデザイン」における「活動の(空間的)場」のデザインである。著者は、「学び手の視点に立ち、学習を成立させる場を、意識的に一貫した考えによってデザインしていくこと」が重要だと述べている。

その他、この章でのキーワードは、「学習者のコミュニティ」か。

第7章は、最近私自身が特に興味を持っているところで、別のエントリーでも書いた「価値観型」と「ビジョン型」における価値観型のベースとなっているクランボルツ教授のPlanned Happenstance Theoryについても触れられている。ただ、「最近では、偶然からキャリアをつくることを強調する『偶キャリ』という言葉も登場している」との一節には、「ホンマか!?」と思わずツッコミを入れたくなった。

以上、いろいろ盛りだくさんで私のように人材育成の素人からすれば学ぶところの多い本であるが、いざ、じゃあどうやって自分の組織で実践するの?と聞かれると、「理屈じゃないのだ!」と逃げてしまいそうな気がする。人間だもの(w。