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Kitchen Confidential

知人のブログで紹介されていた「キッチン・コンフィデンシャル」(アンソニー ボーデイン Anthony Bourdain 野中 邦子 新潮社)を、ようやく読了。

Scott Berkunの「アート・オブ・プロジェクトマネジメント ―マイクロソフトで培われた実践手法」という本でもとりあげられているそうで、シェフの厨房でのリーダーシップやマネジメント、そしてそこでの生産性など、ITにおけるプロジェクト・マネジメントの視点から読むのが、「通」の読み方(?)らしい。確かに、この本に描かれている厨房での出来事(しかもそれが特別なことでなく日常である!)の記述は圧巻。

また、ちょうど人材育成とキャリア形成のことも考えながら読んでいたので、その点では、「ブライアンの生き方」の章での、スコット・ブライアンと著者(アンソニー・ボーデイン)の対比が非常に面白かった。一概には言えないが、どちらかというとスコットが「ビジョン型」、アンソニーが「価値観型」の生き方・キャリア形成をしてきたのではないかと思う。もちろん、スコットも目の前の仕事に対するこだわりとか価値観も大事にしていると思うし、アンソニーも節目節目では自分なりにビジョン型への切り替えもうまく行ってきていると思うが、なんとなくそういったところでの違いが、この二人の違い(どちらが優れているということではなく)としてあらわれてきているような気がする。

※「ビジョン型」と「価値観型」のキャリア形成については、ITmedia Biz.ID:キャリアに「目標」は必須ではない(平本相武)参照。

ということで、エンターテイメントとして一級であると同時に、いろんな読み方ができる作品。